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QMS定着への奮闘日記

No.107 「品質記録」の役割と有効性を考える

2013年6月20日

  先日のQMSミーティングで「品質記録の管理」について議論になった。

   事の発端は、打合せプロセスで、営業マンがお客様と校正スペックの打合
   せで使用している「前回の校正成績書」を、業務完了後も‘品質記録’と
   して一定期間保管している事に対して、トップから問題提議がされた。

    トップ「前回成績書を品質記録として保管管理する必要があるのか?」
    筆者 「前回成績書を用いて営業マンがお客様と今回の校正スペックを
        打ち合わせた運用の記録であり、業務品質に関わると考え、品
        質記録として保管管理しています。」

      ※当社の品質記録の定義:
            業務品質に関わる重要なプロセスの運用記録

    トップ「その意見も正当だが、前回と同じスペックで校正を依頼され、
        その情報をCATシステム(校正データ収集システム)に入力
        する。入力された内容通りに校正業務を遂行する。
        CATシステムに入力された時点で打合せで使用した‘前回成
        績書’は、参考資料に過ぎないのではないか。」

    筆者 「……」
    トップ「参考資料まで保管管理する必要があるのか?」

品質記録

  ISO9001には記録の管理について「要求事項への適合及び品質マネ
   ジメントシステムの効果的運用の証拠を示すために作成された記録を、管
   理しなければならない
」とある。

   品質記録とは、そのプロセスの運用で及ぼした結果の記録として効力を発
   揮し、お客様や次工程へ引き継がれる。

   しかしそれが上記例のように、効果的な運用で次の有効的なモノに代わっ
   た時、元の品質記録は役割を終え、保管管理の必要はない…のだろうか。

  会社として、品質記録の定義・役割を決めていたつもりだったが、まだま
   だ厳密さに欠けていることを痛感。

   なんでもかんでも運用に関するモノを「品質記録」と呼び、無駄に保管管
   理をしていたのかも知れない。

   改めてISO規格要求事項に立ち戻り、「品質記録とは」を追究しなけれ
   ば…    次号に続く。

△ No.108 たかが「記録」…されど「記録」
▽ No.106 校正品質を握る「校正責任者」の力量、決まる