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No.166 内部監査にかける熱い想い3 「不適合じゃない、改善の種だ!」

2016年3月24日

  前回は当社の内部監査がどう変わったのかをご紹介しました。
   けれども…内部監査のやり方を変えたからと言って、経営・運営や
   その質が良くなる訳ではない。

   内部監査からのアウトプットを、どう経営・運営に活かすかがカギ。

   では、どのようにしてアウトプットを効果的にしたか、展開の工夫
   を何例かご紹介したいと思います。
   今回は「アウトプットを如何に受け入れ易くするか」の工夫です。

 ●「不適合」は『改善の種』と呼ぼう!

  前々回ご紹介したように、以前の内部監査ではちょっとした記入漏
   れまで「不適合だ」と指摘していて、受ける側の社員は拒否反応。

   これは当社だけに限らず、どの企業の方であっても「不適合です」
   と言われて嬉しい気持ちになる人は殆どいないでしょう。

   外部監査員も暫くは「不適合」という表現を使っていました。
   やり方を変えても受ける側にすれば「監査する人」が変わっただけ
   で、嫌々で受身の状況は変わらず。

  そんな状況を一新するために社長が出したアイデアが「不適合は禁
   句。これからは『改善の種』と呼ぼう!」でした。

   「不適合と言う表現に拒否反応を示しているならば、そんな言葉
    やめちゃえ!どれも改善が必要なのだから、『改善の種』と呼べ
    ば、受け入れざるを得ないのではないか。」

   アウトプットの中身は同じであっても、「不適合」と『改善の種』
   では印象がガラッと変わった。

   毎回一通りの内部監査が終わってから、外部監査員を除いた社員だ
   けでクローズミーティングをするのだが、その際「今日の内部監査で
   感じたことや『改善の種』だと思うこと」を一人一人に発表してもら
   う。

   そこではみんな素直に「○○は改善しなければと思います」など、
   自分達の運用を見詰め直してくれている。

   それが「今日の不適合は?」なんて聞いたら、積極的に発言してく
   れるだろうか…私なら「別に…」と言葉を濁したり、当たり障りの無
   いことを言って済ますだろう。

   言葉・表現を変える、その言葉の意図をちゃんと伝える、
   ちょっとした工夫で全然受け入れ方が違ってきた。これって凄い効果!

  次回は『改善の種』を、どのように経営・運営へ展開しているのか
   をご紹介したいと思います。

△ No.167 内部監査にかける熱い想い4 「内部監査は改善のためのお祭り」
▽ No.165 内部監査にかける熱い想い2 「これまでの内部監査を覆す」