●2016年3月24日
■ 前回は当社の内部監査がどう変わったのかをご紹介しました。
けれども…内部監査のやり方を変えたからと言って、経営・運営や
その質が良くなる訳ではない。
内部監査からのアウトプットを、どう経営・運営に活かすかがカギ。
では、どのようにしてアウトプットを効果的にしたか、展開の工夫
を何例かご紹介したいと思います。
今回は「アウトプットを如何に受け入れ易くするか」の工夫です。
●「不適合」は『改善の種』と呼ぼう!
■ 前々回ご紹介したように、以前の内部監査ではちょっとした記入漏
れまで「不適合だ」と指摘していて、受ける側の社員は拒否反応。
これは当社だけに限らず、どの企業の方であっても「不適合です」
と言われて嬉しい気持ちになる人は殆どいないでしょう。
外部監査員も暫くは「不適合」という表現を使っていました。
やり方を変えても受ける側にすれば「監査する人」が変わっただけ
で、嫌々で受身の状況は変わらず。
■ そんな状況を一新するために社長が出したアイデアが「不適合は禁
句。これからは『改善の種』と呼ぼう!」でした。
「不適合と言う表現に拒否反応を示しているならば、そんな言葉
やめちゃえ!どれも改善が必要なのだから、『改善の種』と呼べ
ば、受け入れざるを得ないのではないか。」
アウトプットの中身は同じであっても、「不適合」と『改善の種』
では印象がガラッと変わった。
毎回一通りの内部監査が終わってから、外部監査員を除いた社員だ
けでクローズミーティングをするのだが、その際「今日の内部監査で
感じたことや『改善の種』だと思うこと」を一人一人に発表してもら
う。
そこではみんな素直に「○○は改善しなければと思います」など、
自分達の運用を見詰め直してくれている。
それが「今日の不適合は?」なんて聞いたら、積極的に発言してく
れるだろうか…私なら「別に…」と言葉を濁したり、当たり障りの無
いことを言って済ますだろう。
言葉・表現を変える、その言葉の意図をちゃんと伝える、
ちょっとした工夫で全然受け入れ方が違ってきた。これって凄い効果!
■ 次回は『改善の種』を、どのように経営・運営へ展開しているのか
をご紹介したいと思います。
△ No.167 内部監査にかける熱い想い4 「内部監査は改善のためのお祭り」
▽ No.165 内部監査にかける熱い想い2 「これまでの内部監査を覆す」