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QMS定着への奮闘日記

No.183 『QMSの落とし穴』に嵌り、本来の力量が問われ始めた

2016年10月6日

  また、ある事業所でチョンボを出した。
   お客様の計測器を引き取って、当社内で校正作業をする際、付属品
   が不足しているにも拘らず作業を進め、計測器を壊してしまった。
   (お客様関係者様、ご迷惑をお掛けしまして、申し訳ございません)

   事実の経緯を整理すると、次の2点の問題が見えてきた。
   ①計測器を引き取った営業担当は、「付属品は付けてくれている
     だろう」と思い込んで、預かる時に確認をしなかった。
   ②校正を担当した作業者は、付属品が無いと気づいていながら、
     「大丈夫だろう」と勝手に判断し、関係者に連絡・相談しな
     かった。

   いずれの関係者も「~だろう」ばかりで、何の確証も持たずに仕事
   を進めたことが今回の原因。

  この事実を社長に報告すると、次のように指摘された。

   「仕事とは、予断を入れず、確証・裏付けを持った「事実」の積
    み重ねによって実現されるもの。
 
    QMSで基本的な仕事は出来る。
    けれども、より安全で確実で品質の高い仕事になるように、一
    つずつ確証・裏付けを押さえることが出来る(もしくは押さえよ
    うとする)ことが、‘本来の力量’じゃないか。

    QMSのルールが意識される一方、確証の意識が薄れてしまう。
    まさしくこれが『QMSの落とし穴』だ」

  こういうチョンボは、交通事故と同じかもしれない。

   起きてしまった後に
    「まさかあんなところから車(人)が出てくると思わなかった」
    「まさか前方の車が急に止まると思わなかった」と思い、

    「もっと確認をすればよかった」
    「もっと車間距離を開けておけば良かった」と反省する。

   予断の行動は、想定しない事故やチョンボに繋がる。
   でもその時
    「前方の車が急に止まるかもしれないから、車間距離を開けて
     おこう」
    「付属品が無い状態で運転させると壊れるかもしれないから、
     お客様に借りてから作業をしよう」と、

   所謂「危険予知行動」をしていれば、事故やチョンボは未然に防げ
   たかもしれない。

  今回のチョンボの改善策は、また後日紹介したいと思いますが、
   「確証・裏付けを持って仕事を進める‘本来の力量’」を養うため
   にはどうしたらいいんだろう…

   『QMSの落とし穴』を埋める…大きなテーマにぶつかったよぉ…

△ No.184 NKS流QMSが月刊アイソスに掲載されました
▽ No.182 内部監査の第3章 業務品質討議会が始まった