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QMS定着への奮闘日記

No.120 この資料は誰のため?使う人を主体とした資料の工夫

2013年9月26日

  先日、とある事業所の内部監査を行った。
   この事業所は今期ISO認証登録事業所になったばかりで、正直QMS
   運用も発展途上だ。

   なので通常の内部監査とは少し趣向を変え、彼らが普段やっている事
   をインタビューして、じっくり掘り下げながら、一つ一つのプロセスで
   の行動の意味を勉強する場にした。

  例えば…営業担当に「○○プロセスではどのように動いているの?」と
   聞いてみる…なるほど、なるほど、さすがトップセールスマンらしいキッ
   チリとした答え。

   でも…「それはどのQMSの手順の動きなの?」「その活動でどんな
   資料を使っているの?」と聞くと……答えられない。
   また残念ながらサービスマンも同様だった。
     ※当社ではほぼ全てのプロセスにおける行動毎に資料を構築し、
       社員の責任は資料通りに進めることとしている
          >>ドキュメントの充実  参照

  そんな状態で内部監査を終え、「資料の使い方を再度説明してやらなけ
   れば…」と考えていた。その結果と改善の方向性をトップに報告すると、
   こんなアドバイスを頂いた。

    「資料は誰のためのモノなんだろう?
    各プロセスの使用資料は、営業マンにとって大事な動き(指針)の提
    供。形式的には使えているが、それを使うことで、やる人にとってど
    んなメリットがあるのか、何が得られるのか等が考えられていない。
    もっとやる人にとってどんな‘行動のメリット’に繋がるのかを具体的
    に提示し、考える段階に来たのではないか。」

  これまで資料を提示する際、「この資料の(全体的な)目的・意味」も
   併せて発信していたが、更に突っ込んで、中身の項目毎に「この行動
   をすることで、貴方にとってどのようなメリットがありますか?」を使
   用する人に考えてもらえるような工夫をしよう…という結論に達した。

   ということで、各プロセスで使われる重要資料を優先に、その中身(行
   動)を細分化し、それぞれの行動をすることで使用者にとってどんなメ
   リットに繋がるのかを示した「資料○○の解体新書」(仮)の作成に着
   工。

   ちょこっと作ってみると、これが中々面白い資料に!
   もう少し具体的に纏まってきたら、ご紹介します。

△ No.121 実務に合わないQMSでは、仕事は上手く進まない
▽ No.119 何故プロセスの関連図にコマの絵が描かれているの?