QMS定着への奮闘日記 >

QMS定着への奮闘日記

No.145 「教育」と「力量」…概念から再整理

2014年4月17日

  先週、認証機関によるISO9001の更新審査を受審した。
   当社にとっては良いのか悪いのか…とりあえず所謂‘不適合’という
   結果は無かったが、客観的に見て貰った意見の中には、当社のQMS
   の弱点だなと思えるモノが幾つか有った。

  その中の1つに、次のような趣旨のコメントがあった。
   「教育を毎月計画しているが、毎月ではなく○ヶ月など、期間の捉え
    方を検討してはどうか」

   審査員は物腰柔らかく表現してくれたが、私から云わせると「実現が
   難しい、または、やりもしない計画を立てたことが拙い」のであって、
   原因は「この教育の目的」も考えずにおざなりに立てたことだ。

  その報告をした時、トップがこんなアドバイスをしてくれた。

   「何のために教育をするのか…それは『力量を上げる』ため。
    仕事において力量アップに繋がらない教育はあり得ない。」

   なるほど…とっても当たり前のことなんだけれども、何か閊えてい
   たモノがスッと通った感じがした。

   続きを聞いて、更に視野が広がった気がした。

   「では、力量とは何か…当社では作業をするための手順書毎の資格を
    取ることが『力量』と捉えている節があるが、それはほんの一部。
    力量には2つあると思う。

    ・社会人としての基礎力量…例えば、挨拶や報連相が出来ることetc.
    ・役割毎の専門力量…校正作業手順書毎の資格etc.

    これまで当社は『専門力量』ばかりに目が向いていた。
    勿論『専門力量』は必要で、優先的に力量定義と評価方法を確立した。
    そのおかげで技術的な心配事は軽減した。

    だからこそ見えてきた次の問題は、その人の『見せ方』それが挨拶
    だったり、報連相だったり…仕事を実現するための、実に基本的な
    振る舞い。

    QMSで仕事をするということは、当然仕組みの正確性も問われる
    けれど、働く人としての基礎力量が根底にあって成り立つこと。
    ならば『NKSで働く人の基礎力量』をキチッと確立する必要がある
    んじゃないか。」

  なるほど、なるほど。

   そっかぁ、これまで「なんでこんな常識的なことまで注意しなきゃい
   けないの?」と苛立つこともあったけど、それは社員としての基礎力
   量がハッキリしていなかったからだ。
   共通言語を持たず、互いの感覚だけで議論するから解決しなかった
   んだ。

   ということで、改めて「力量の基本概念」から整理し直すことになった。
   その考え方は…また次回以降で。

△ No.146 サービス業は「見せ方」も力量
▽ No.144 名刺に「キャッチコピー」始めました