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QMS定着への奮闘日記

No.170 プロセスアプローチでコスト意識を高める

2016年4月21日

  前回、コスト意識を高める工夫として実践している『業務時間管理
   表』をご紹介しました。

   査定時間<作業実績時間となったプロセスの原因を検証して、次回
   の作業では時間オーバーしないような改善策を講じるようにした
   ことで、全社で約5500時間以上の時間短縮の効果を生み出した。

   では、何故こんな凄い効果を生み出したのか…

  『業務時間管理表』の一部をクローズアップ(ちょっと小さいですが)
 業務時間管理表サンプル

   赤点線枠が「指示(査定)時間」、緑点線枠が「実績時間」
   作業プロセスでの指示(査定)時間:5時間に対して、実績時間:
   9時間で、4時間のオーバーがあった。

   4時間のオーバーの分析と改善案の検討が桃点線枠。この例では…

   (抜粋)「センサ形状により、1本毎の校正となった。→温度ループ
   のみの校正であれば次回は査定1名として進める→申し送り記入」

   つまり、当初2名作業で計画したが、作業の進行具合から1名でも
   十分で、1名分余分な時間が発生してしまった。
   このことを申し送り書に記入することで、次回の余分な時間の発生
   を防ぐための改善策を講じる。

   そして次回は1名作業で計画がされ、4時間のオーバーが発生し
   ない(だろう)という仕組みだ。

  またもう一つの効果は、「目標時間を見える化」したこと。

   これまでも査定合計時間を明確にし、業務完了後の当該JOBの実
   績合計時間と、時間単価は算出していたが、いずれも総論で、結果
   的に「時間単価が良かったね、悪かったね」と言うだけだった。

   それをプロセス毎で明確にした。

  事前準備に必要な時間は○時間、実作業に必要な時間は○時間、
   事後処理には○時間とハッキリさせる。
   これが「目標時間」になった。

   以前もそれなりに計画して進めていたが、時間がハッキリすること
   で、「事前準備プロセスは○時間だから、そのために簡易検査は△
   時間でする、持ち込み品は▲時間で準備する…」のように、プロセ
   スが目標時間を達成するための計画的な進行になった。

  このような地道な分析と改善と工夫が、結果約5500時間の削減の
   成果を生み出した。

   「社員一人一人のコスト意識が向上したの?」…と問われたら決して
   そうじゃないかもしれない。
   けれども「指示(査定)時間内にしよう」「次回は時間オーバーし
   ないために手を打とう」と考えてくれているということは、間接的
   な「コスト意識の向上」かなって思う。

   これもNKS流プロセスアプローチ。

△ No.171 NKSのQMSは二十歳になります
▽ No.169 Time is money. 仕組みで生み出したすっごい効果